

外注作業待ちの合間にフレームのみのオーバーホールです。英国で買われたお客様からの依頼です。
画像はいきなり完成のものですが、このフレームは2本ともリアスイングアームのピボットボルトが固着していました。また、青い方はリアサスのラバーが剥がれていました。

この固着したボルトを外すのはやっかいで、グラインダー、ドリルを駆使してスイングアームをメインフレームから外します。その後画像のように油圧プレスを使用して固着しているボルトとスリーブを一緒に抜き取ります。今回はお客様がピボット部分のアッセンブリーを持ち込まれ交換をご希望でしたのでブッシュも抜き取り交換をします。

この画像を見ると固着の酷さがわかると思います。


はい、きれいに外れました。

フロントサスの分解清掃です。リアの固着と比べてこちらは状態良好、ナイロンベアリングの摩耗も少ないのでこのまま組みました。

青い方のフロントフォークを抜いた時に気づいたのですが、画像のようにこすれた跡がありました。これは次の画像のグリスニップルが干渉しているようです。このニップルあまり意味はないと思いますが取り付けた人の意図がわかりますね、アウターチューブに開けられている注油用の穴に絶妙にフィットするようになっています。でもこれ、グリスはこの穴を通ることなくアウターチューブの外側にたっぷりのグリスが溜まっていました。




剥がれたリアのゴムサスは本当は状態の良いものと交換した方がいいのですが、在庫がなくお客様と相談してボンドを使用して固定することにしました。ボンドの接着力を上げるために錆を十分の取り除き接着させました。これでしばらくはくっついていると思いますがなるべく引っ張りの負荷をかけない方がいいですね、これ、剥がれてない車両もそうですよ。保管時や駐車時もリアのホールはしっかり地面につけておきましょう。
オフィス403では古いモールトンを可能な限り良い状態で残して行きたいと思っています。
他のショップで断られた車両もあきらめずにお気軽にご相談下さい。