
今回はこちらの車両、ネットで販売されていたので見られた方もいると思います。
確かモールトンスピード10速とか表記されていたかと思います。
こちらは、お客様が購入されたものを普通に動くようにと持ち込まれました。
各部見てみるとあちこちに興味深い改造がなされています。
お客様と相談の上、今回はグラグラのクランクの修理、リア変速を現状から4速×2に変更、フロントブレーキの修理をすることになりました。

興味深かったBBの分解清掃、
もともとのBBは画像の下側、アルミ削り出しで棒状のベアリングが圧入されているようです。シャフトはなぜか片側の玉当たりをきれいに削り取っています。この辺は素人の作業ではなさそうです。シャフトと棒ベアリングはジャスとフィットでガタはありません。が、これを組むとシャフトが左右に動いてしまいます。これを解消するためかBBのワンとクランクの間にプラスチックのシムを入れて調整しているようです。手で回すぶんには滑らかに回りますが、プラスチックのシムとBBのワンやクランクとの摩擦抵抗は?プラスチックのシムの摩耗は?自転車で一番力のかかる部分ですから無理があるように思います。僕の頭ではこれを使用するメリットがわかりません。
お客様と相談してオリジナルのBB(画像の上側)を使用することはしました。


画像左側、シフトはグリップシフトと2個のシフターで作動させるようですがどれも正確には動いてないようなので、どんな具合か試したかったのですがこれ以上壊れるといけないので試乗はしませんでした。
画像右側、自作と思えるディレイラーで外装2枚を操作するようになっています。これはお客様の希望でユーレーのディレイラーに交換します。
上記以外にワイヤーの取り回しなども工夫されていて手間をかけて改造されています。これを製作した方はきっと楽しみながらやったんでしょうね

リアのハブはスターメイアーチャFW4速をベースに改造されているようです。画像下側が改造されていた物、上側がノーマルの物です。ぱっと見わかりずらいのですが、下側はギヤとギヤの間に本来無いワッシャーが入っています。そして、シャフトの中のスプリングが短かったり、変速用のチェーンと連結される細いシャフトが短く細く加工されています。

画像を拡大するとよくわかりますが、赤い矢印の方は歯が肉盛りされています。青い矢印の方が本来の歯です。この辺りの改造も僕の頭では理解不能です。

シャフトを分解しました。
薄いワッシャーが余分に入っていたのと、シャフト右側に取り付けられていたワイヤーで引くのではなく押すための中空シャフトが
アルミで作られて挿入されていました。この辺りも意図は不明です。
もとの4速に戻すには部品を交換しなければなりません。
お客様の指示待ちとなります。

シフターも改造されていました。画像右側2個がタッピングビスで止められていました。
3速のシフターと4速のシフターを抱き合わせて取り付けられていたので4速のシフターの取り付け部分(画像の赤丸)が取り外されていました。
これを元に戻すには完品の4速のシフターがいります。完品から部品を取るなら完品をそのまま使用した方が良いいですね。
この辺りもお客様の指示待ちとなります。
お客様より指示をいただいたので、各部品を交換しました。

作業が終了しました。
お預かりした時はとても走れる状態ではありませんでしが、BBの交換、スターメイアーチャFW4速の整備、ディレイラー交換、フロントブレーキOHなどを行い普通に走れるようになりました。内装4速×外装2速も正確に動いて軽快に走ってくれます。
他に問題もがありますが、とりあえず走れるようにとの事でしたので今回はここまでとなります。
posted by コーヒー色 at 11:47| 長野 ☁|
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